「会った人をひと言ほめる」を徹底した経理社員が死去→葬儀で見た「驚きの光景」
会った人をいつも冗談で笑わせたり、何かを褒めたりする人は、あなたの周りにもいないだろうか。意識的に周囲の人に有意義な働きかけをしている彼らは、「メンター」の素質を備えている。若手を指導する立場にあるビジネスマンにとって、良きメンターとして他者の人生に良い影響を与える存在になるためには、どんな心掛けが必要なのかを解説する。※本稿は、前田康二郎『メンターになる人、老害になる人。』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 喜び慣れしていることは メンターに最も必要な要素 他者の成功や幸せを喜ぶことは、一見できそうで、実際にそのようなシチュエーションになるとなかなかできないように思います。 たとえば仲の良い同期の1人が一番手で昇進したり、社長賞などをもらったりした時。 本来なら喜ぶべきことなのに、「先を越されてしまった」「自分が一番先に社長賞をもらうつもりだったのに」「どうして自分じゃなくてあいつが……」と、相手が憎いわけではないのに、相手と自分とを比較して素直に祝ってあげられないこともあります。むしろ仕事熱心であればあるほど、そうした感情が出てくるほうが普通かもしれません。 自分に良いことがあった時に「おめでとう!お祝いしようよ」と言ってくれる人は長く大切にしましょう。他者の成功を祝える人というのは、ご自身も現在進行形で仕事や趣味など何かに取り組んでいる方が多いので、他者の成功を「自分も負けていられないな」「〇〇さんがそこまでできるなら、自分ももっと頑張れるはず」と、自分自身の活動の原動力にしています。だから周囲に良いことがあったほうが、その人にとっても良いのです。 そのような人は「喜び慣れしている」ので、一緒にいるだけでもとても前向きになれます。メンターとして最も必要な要素の1つであると思います。
● メンターであるコンサルタントが 会食時に経営者を笑わせ続けたワケ 以前、経営者の知人とその知人のメンターであるコンサルタントの方と3人で食事に行った時のことです。 メンターの方はほぼ最初から最後まで(といっては失礼かもしれませんが、それくらい)始終冗談を連発して、時には笑わせ、時には絶句させてくださり、楽しい時間を過ごすことができました。 帰宅した後、ふと「どうしてあれほど冗談ばかりおっしゃっていたのだろう」と考えをめぐらせたのですが「そうか、メンターの方はコンサルタントとしての仕事をされていたのだな」と気付きました。 「経営者は孤独である」と言いますが、経営者の苦悩を解決することは経営者ご自身にしかできません。だから周囲の人間ができることは、せめて経営者の悩みを傾聴するか、応援するか、リフレッシュしてもらうことくらいしかありません。 メンターの方は、今日はとにかく知人の経営者に少しでも笑ってもらい気分をリフレッシュしてもらうのがいいだろうと、知人の表情を見て判断されたのだと思います。実際にこの経営者もそれでリフレッシュできたようでした。 「おやじギャグ」は、どこでギャグを放つかというTPOはもちろん必要ですが、緊張した中に緩和を与える効果もあり、メンターの要素の1つとして挙げても良いと思います。