【新潟2歳S】新馬戦のパフォーマンスはGⅠや重賞で通用 血統的にも将来性十分なコートアリシアンを推奨
血統解説:コートアリシアン
・コートアリシアン 日本での牝祖は祖母コートアウト。同馬は重賞勝ちこそないがマザリーンS(GⅠ・ダート8.5F)で2着した実績馬で、繁殖としても非常に優秀。本馬の叔父で安田記念勝ち馬ストロングリターン(父シンボリクリスエス)、叔母で桜花賞2着のレッドオーヴァル(父ディープインパクト)らを輩出している。 本馬は4番仔で、上は本馬同様に全て牝馬だが活躍馬はいない。とはいえ、母コートシャルマンはJRAの芝ダートで3勝しているようにスピード性能が高い。牝系の活力は今回のメンバーでもトップレベル。重賞勝ち馬になってなんらおかしくないバックボーンを持っている。 本馬は父にサートゥルナーリアを迎えた。ファミリーとしては徐々に良くなってくるタイプ。母は2歳戦に2勝しているが、ハーツクライ産駒ということを考えれば、本格化したのは古馬になりダートで勝利を挙げた頃だろう。 サートゥルナーリア×ハーツクライという日本の主流血統の組み合わせらしく、新馬戦から胴伸びの良い馬体に柔らかさを持った歩様を見せていた。ただトモの入りはまだまだ甘く、それがゲートの遅さに繋がってしまったのだろう。 将来的には先行して押し切るような競馬ができるようになれば、GⅠも目指せるだけの逸材だ。イメージとしてはリスグラシューに近いタイプだが、現時点の馬体でも今回のメンバーであれば十分差し切れる。スローペースからの上がり勝負になれば、ここは確勝級の能力を持っている。
Cアナライズはコートアリシアンを推奨
今回のCアナライズではコートアリシアンを推奨する。 血統背景も申し分なく、新馬戦では今回のメンバーでは一頭抜けたパフォーマンスを見せていた。今回の記事では本馬一頭を取り上げる形になったが、それだけ抜けた能力の持ち主だ。 ゲートの課題はトモの甘さからくるものだけに、一朝一夕で改善できるものではない。ただ最後方からの競馬となっても、少頭数の今回は大きな問題にはならない。新潟2歳Sを勝って暮れの2歳GⅠで走る姿が今から楽しみだ。 【ライタープロフィール】 貴シンジ 競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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