【ABC特集】障害者の居場所”はどこへ 総合福祉センターが各地で相次ぎ統合・廃止 奈良市にも再編案
再編について奈良市は、まだ検討段階で具体的には決まっていないといいます。一方で仲川げん奈良市長は、再編を検討しはじめた理由について、会見で説明しています。 (仲川げん奈良市長 11月14日の会見)「総合福祉センター自体が機能が少なくなってきていることもありますし 利用者の高齢化や固定化も現状としてはございます」「昔必要とされていた機能が 今もこれからも引き続きいるかとどうかといろんな議論がある」「限られた財源をどういう分野に使っていけば、支援から漏れ落ちて誰にも助けを求められない人たちをサポートできるのか」「再構築を議論してくこと自体は必要」
奈良市総合福祉センターは、多いときには16万人以上が利用していました。しかし民間の事業所が増えたことや、センター内にあった保育園や歯科医などが移転したことで、利用者は徐々に減少。さらに老朽化で温水プールなど一部が閉鎖されたほか、新型コロナの影響でさらに利用者が減少。今はピークの5分の1の3万人台に落ち込みました。
他の地域の総合福祉センターでも、老朽化や利用者の減少などで閉鎖や再編が相次いでいます。北海道・稚内市にあった総合福祉センターは、1975年に建設され、高齢者施設や児童館が入っていましたが、地域の人口減少や老朽化で来年3月末に廃止され、児童館などが近くの小学校に統合されます。また1977年に建設された岡山県・玉野市のセンターは、耐震基準を満たしていないため去年12月に廃止されました。地域に同じような施設があるほか、民間の事業者もあることから目立った反対意見はなかったといい、再編はスムーズだったといいます。
一方、奈良市のセンターは、障害者の利用に特化した施設でした。利用者からは不安の声が上がっています。 (奈良市聴覚障害者協会 大西善子さん)「場所がばらばらになってしまうと、身体障害者は合う合わないがある。いろんな障害がもった人が集まっていろんなことをやってきたので分かれてしまうと不安がある」「ここをもう一度立て直してやってほしい」