元衆院議員 金子恵美さん

　物価高対策など新たな経済対策の裏付けとなる今年度の補正予算も成立し、大きな山場を超えた岸田総理大臣。一息つきたいところですが、そうもいかないようです。 　前の週末、ANNが行った世論調査の内閣支持率は26.1％と、またしても発足以降の最低を更新しました。そんな中、岸田政権をさらに苦しめているのが、”政治とカネ”の問題です。自民党5派閥の政治団体が政治資金パーティーの収入の一部を収支報告書に記載していないことが明らかになりました。政治資金規正法では、政治資金パーティーで20万円を超える支出をした個人・団体の記載が義務づけられていますが、その記載がなかったと告発を受け、東京地検特捜部が派閥担当者から任意で事情を聴く事態になっています。 　ニュースでよく耳にする「政治資金パーティー」とはそもそもどのような物なのでしょうか？元衆院議員の金子恵美さんと紐解きます。

岸田文雄 総理大臣

（Q．政治資金パーティーとは、資金を集めるために政治家などが開催するパーティーのことですね？）　 ーーーそうです。朝食会や「〇〇を励ます会」という名目で行われることもあります。相場は2万円ほどで、朝食会だと1万円ほどという人もいます。パーティー券を売って得た収入から会場費や飲食費等を引いて残ったお金が、利益として残るという仕組みです。 （Q．かつて日本維新の会の松井一郎元代表は、持ちネタのように「料理が少なくてごめんなさい」とパーティーで語っていました。これで笑いを取れるというのは、客も料理目当てではなく、議員への寄附を目的に来ているということ？） 　ーーー政治資金パーティーの目的は、一定のまとまったお金を作ること。なので、一番抑えやすい飲食費を節約し、出席人数に見合うほどは用意しなかったり、サンドイッチなど料理の内容を簡素化したりして、”上がり”を大きくすることがあります。

政治資金パーティって何？

（Q．総務省の2022年分の政治資金収支報告書によると、自民党6派閥の収入総額約11億8400万円のうち、政治資金パーティーで得た収入が8割ほどを占めていました。共産党の田村智子参院議員は28日の国会で、岸田総理の政治団体はパーティーの利益率が約9割だということに疑問を呈しました。9割とはかなり高いと思いますが、これくらいが普通ですか？） 　ーーーそれぞれの派閥や議員、事務所スタッフが知恵を絞って、できるだけ利益率を高めようとしていると思います。根底には、団体や企業が議員の資金管理団体に献金できないことがあります。パーティー券を買ってもらう方法であれば、20万円以内に抑えれば企業も名前を出さなくて済み、お互い都合が良いという側面があります。