「革靴」は嗜好品になりつつある…いま靴業界で起きている「意外な変化」
亡き母の工房を継いだ靴職人を主人公にした『靴の向くまま』(モーニング・ツー連載中)が靴好きを中心にじわじわと浸透中。作中では革靴、パンプス、スニーカー問わず、主人公の結彩が登場人物に寄り添い、心を込めて靴作りをしていく。その過程がかなり細かく、プロの靴職人や関係者からも一目置かれている。 【マンガ】靴業界注目!『靴の向くまま』を読む オーダー靴は実際にどうやって作られるのか? 『靴の向くまま』の担当編集が実際に自分が履く靴をAYAMEにオーダー。制作過程をレポートしつつ、オーダー靴業界の今後と展望を漫画家のみやびあきのさん、AYAMEの代表取締役CEOの諏訪部梓さん、AYAMEシューラストデザイナー・島倉和也さん、担当編集の福島さんを交えて話して貰った。 前編記事【じつは履いた瞬間は分からない…ほんとうに「良い靴」だけが持っている「驚きの効果」】はこちら。
実際にオーダー靴を作ってみた
ーー『靴の向くまま』の担当編集である福島さんはAYAMEで実際に靴作りをオーダーされたとか? 福島:はい。『靴の向くまま』の担当になり、作品に触れていくうちに自分でもオーダー靴を作ってみたくなりお願いしました。ただ、学生時代に登山靴をオーダーで作ったとき、けっこうな値段だったにもかかわらず、忌々しいくらい足が痛くなったことがあったので、正直なところちょっと不安な気持ちはありました。 ーーオーダーされるにあたってイメージされていた靴は? 福島:パンプスかローファーかで迷っていました。実際にAYAMEさんとお話していくうちに、やはり日常でいちばん使う靴を作ってみたくなり、ローファーをチョイスしました。怠惰な人間なので、すぐに履ける靴がやっぱりいいんじゃないかなと。 みやび:ローファーはみんなが大好きなスリッポンタイプですからね。 諏訪部:AYAMEではまず、お客様にどんな靴を作りたいか? の聞き取りとアンケートを入念にします。このときにお客様がどんな靴を作りたいのか、どこを目指しているのか? どんなことで悩んでいらっしゃるのか? を丁寧に聞き取ります。