子どもの国語力はテレビとラジオで伸びる! 小学生の語彙力が高まる接し方
わからない言葉を一緒に調べるきっかけに
ニュースの中には、知らない言葉や地名などがたくさん出てきます。 例えば政治や社会のニュースであれば、「為替と株の値動き」「衆議院選挙」「予算」、事件や事故であれば「業務上過失傷害」「別状はない」「渋滞の緩和」などなど。 小学生にとってはまったくなじみのない言葉です。 「きちんとした知らない言葉」を浴びること自体が、まず貴重な経験です。 子どもが好きなYouTubeやテレビアニメから吸収するだけでは、耳にする言葉に偏りが出てしまいます。 社会でよく使われている言葉、あるいは正しい使い方をされている言葉を聞くことは、新鮮なインプットになります。 脳科学者の加藤俊徳医師は、「脳の『聞く力』を鍛えるのに一番適しているアイテムのひとつに、ラジオがある」としています。 ※加藤俊徳『脳を強化したければラジオを聴きなさい』宝島社 ニュースを聞くことによって、世の中のできごとに子どもが興味を持ち、調べたり、行動してみたりする可能性も高まります。 「これってどういう意味?」と、難しめの質問が飛んでくることもあると思います。 もちろん、その場でうまく答えられるとよいですが、答えられなくても「家に帰ってきたら一緒に調べてみない?」と促して(そして保護者はそれを覚えておいて)、インターネットや本で調べるところまで発展したら素晴らしいですね。 気になったことを親と一緒に調べるという経験は、子どもにとっても非常に嬉しいこと。親子の大事な時間になります。 また、リスニングの力も鍛えられます。耳で正確に聞き取っていなければ、調べることもかないません。 例えば、「起死回生の一打によってサヨナラ」と聞いて、「キシカイセイ」という言葉がわからなかったとします。 知らない言葉はただの音として耳に入ってきているので、いざ子どもが辞書で調べ始めても「シキ」のところをずっと調べていたという取り違えも起こり得ます。 「あぁ、それは起死回生だから『キ』のところを調べよう」とサポートしてあげられると、やりとりが印象に残り、記憶に刻まれやすくなります。 調べるこで、初めて自分の聞き間違いを自覚できるというわけです。