なぜ西武は逆転勝利でCS圏内の同率2位浮上に成功したのか?
ともに残りは5試合。同じ勝敗数でレギュラーシーズンの120試合を終えた場合の順位決定方法として、今シーズンのパ・リーグは当該チーム同士の直接対決で、勝ち越しているチームが上位に来ると定めている。8日にZOZOマリンでの24回戦を残している西武とロッテは、15勝8敗で前者がすでに大きく勝ち越しを決めている。 つまり、ロッテは西武よりも勝ち星で最低でもひとつ上回らなければ2位には入れない。西武が残り5試合2勝3敗で、ロッテも2勝3敗の場合は、西武が2位。西武が3勝2敗ならロッテは4勝1敗、西武が4勝1敗ならば5戦全勝しなければロッテは西武より上へいけないのだ。勝負ごとは何が起こるかわからない。だが、現状では西武が優位に立ったと言っていい。 「デーゲーム、デーゲーム、ナイター、デーゲームと時間が変わるなかで、選手たちは疲れ切りながらも本当に必死にやっている。もっとすっと勝ちたいところだけど、なかなかそうにはいかない。負担をかけてしまっているけど、最後の4人が0点に抑えたことがやっぱり勝因ですね」 本拠地9連戦の8戦目を制し、この間の星を5勝3敗と勝ち越した。辻監督が特にねぎらったのはリリーフ陣だった。5勝のうち4つが2点差以内。すべてでセーブをあげて通算136セーブとして、豊田清ピッチングコーチがもっていた球団記録を更新した増田が残り5試合のフル回転を誓う。 「自分一人で達成できた記録とは思っていないので、本当にみんなに感謝したい。(セーブ王などは)意識せずに、1点でも多い状況で最後に締められればと思って、いつもマウンドに上がっている。残り5試合、すべて勝ってクライマックスシリーズへいきたい」 先発ピッチャーの不調を全員がカバー。4番手の森脇がチーム2位となる7勝目をあげ、フォア・ザ・チームの精神で進めた走者を一丸となってホームへ迎え入れ、増田が球団新記録のセーブで締める。ここにきて、ようやく確立してきた西武の必勝スタイル。今日4日は不調からの奮起が期待されるザック・ニールが先発マウンドに立つ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)