どうなるCS?“救世主”榎田の今季初勝利で西武が2位に1差…残り6試合を西武4勝2敗、ロッテ3勝3敗で逆転CS出場
メットライフドームに救世主が舞い降りた。2日の北海道日本ハムファイターズとの22回戦で先発した埼玉西武ライオンズのベテラン左腕、34歳の榎田大樹が7回一死まで無安打無失点に抑える快投。チームを4-0の勝利に導き、5度目の先発で今シーズン初勝利をあげた。 本拠地9連戦の7試合目という先発ローテーションの谷間で、この日、出場選手登録された榎田がいい意味で期待を裏切る。スコアボードに初回から「0」を並べるだけでなく、日本ハム打線が放った安打数までもが「0」のまま推移していく展開に、クライマックスシリーズ(CS)進出へ向けて熾烈な戦いの真っ只中にいる西武の辻発彦監督も覚悟を決めた。 「ノーヒットでいくのであればどこまでも、(初安打を)打たれるまでは最低でもと思いながら1イニングでも、1人でも多く投げてもらいたい、というところではありました」 立ち上がりに1番・松本剛をセカンドフライ、2番・杉谷拳士をファーストフライ、3番・西川遥輝をピッチャーゴロとわずか12球で三者凡退させて、阪神タイガースから移籍した2018シーズンに11勝をあげて、リーグ優勝に貢献している左腕は波に乗った。2回に4番・中田翔に死球を、4回には杉谷に四球を与えるも、いずれも直後の打者を内野ゴロでダブルプレーに打ち取った。 前回の先発は8月26日。舞台も同じメットライフドームで日本ハム打線に打ち込まれ、3回途中で7点を献上してノックアウト。この時点で防御率は7.13にまで悪化し、翌日に登録を抹消された。10月10日に再び登録されたが、先発した東北楽天ゴールデンイーグルス戦が3回を投げた時点で降雨ノーゲームになった関係で、翌11日にはまたもや抹消されていた。 「ここまで不甲斐ないピッチングが続いていたので、今日こそは何とか抑えたいと思って臨みました。チームも負けられない状況で、自分もなかなか戦力になれていなかったので」 相手打者に思うようなスイングをさせず、10を数えた内野ゴロを含めて、凡打の山を築かせる。戦況を見つめていた辻監督も、榎田のピッチングに「本当に素晴らしかった」と目を細めた。 「真っ直ぐに切れというか、力がありましたよね。その上でコントロールがいいから、変化球も生きてきた。(森)友哉もそういう形で榎田をリードできたと思います」