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”長寿台風5号”さらに西回りで進み、南西諸島を直撃か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
不気味な眼を持つ台風5号(ひまわり8号より)

台風5号はさらに西回りで北上へ

台風5号の進路予想(2日午前3時現在)
台風5号の進路予想(2日午前3時現在)

最新の台風情報(気象庁発表)

非常に強い”長寿台風5号”は、これまでの予想よりもさらに西回りで進み、しかも少し速度を上げながら、奄美地方周辺に進む予想に変わってきました。

きょう午前3時の発表では、引き続き、海水温の高い海域を進むため、非常に強い勢力を維持したまま北西~西寄りに進み、5日(土)頃に奄美地方を中心とした南西諸島を東から西方向へ通過する見込みです。

台風が予報円の中心を通ると、奄美地方を直撃するように進む予想ですが、北よりに進めば種子島や屋久島に近付く可能性もあり、また南寄りに進めば沖縄本島に近付く可能性も想定されます。

いずれにしても週末は南西諸島で最大瞬間風速65mの猛烈な風が吹き荒れるなど、大荒れの天気となる恐れがあり、厳重な警戒が必要です。

また雲の様子で分かるとおり、台風5号は昨日までと比べ、比較的大きな眼を持つ台風に性質が変わっているようで、このような場合は台風の中心よりも少し離れた場所で一番強い風が吹くこともあります。

台風中心が通らないからといって侮れません。

なお週末に南西諸島付近に達した後、週明けにかけての進路予想にはまだかなりのブレがあります。

例えば、7日(月)午前3時の予報円をみると、西日本へ進む可能性もあれば、朝鮮半島や中国大陸へ進む可能性もある状況です。

週明けの進路は高気圧の壁次第

上空約6000mの予想天気図
上空約6000mの予想天気図

台風がより西よりの進路をとっているのは、台風の東側から北側に広がる高気圧が強まっている影響と思われます。

台風が強まればその上昇流も強まりますが、一方でその周辺部への下降流も強まるため、台風が発達すればするほど、台風自身が高気圧を強める働きもします。

今回も然りで、あさって21日(金)21時の上空約6000m付近の予想をみると、台風の東~北側に高気圧の壁があり、これに押されるように西寄りに進むものと思われます。

ただし、南西諸島付近に達した後の進路は、この高気圧の壁次第で、強くブロックすれば大陸や朝鮮半島など西寄りに進みますが、壁が弱まれば九州など西日本に近付く恐れもあります。

今後も最新の台風情報にご注意下さい。

九州を中心に西日本は大猛暑の恐れも

西日本は高気圧の圏内で猛烈な暑さが続いています。

昨日8月1日までの猛暑日の連続日数は、日田で8日、熊本で7日、佐賀、久留米、朝倉などで6日となっています。

きょう2日の最高気温も、熊本で38℃、日田で37℃などが予想されています。

これから週末にかけて、台風が周辺部の高気圧を強め、さらにフェーン現象などが重なれば、九州西部を中心に40℃近いような大猛暑となる恐れもあります。

台風の荒天はもちろんのこと体温をはるかに上回るような猛暑にも警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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