Yahoo!ニュース

2019年ラグビーW杯、日本の試合はどこで開催?開幕戦は味スタ。残り3試合は豊スタ、エコパ、日産か?

斉藤健仁スポーツライター
2015年W杯、日本は初戦(@ブライトン)で南アフリカを打倒し勢いに乗った。(写真:アフロ)

5月10日、京都迎賓館で2019年のラグビーワールドカップの組み合わせ抽選が行われ、2年後の本番に向けての気運が一気に高まった。2019年9月20日の日本代表戦(@東京スタジアム)を皮切りに、11月2日の決勝戦(@横浜国際総合競技場)まで48試合が12会場で行われる。

すでに開催都市、そして12の開催スタジアムは2015年に決まっている。あとはどの試合がどのスタジアムで行われるかは2017年の9月中旬頃に決まる予定で、来年からはチケットが販売される。そこで最近、よく質問されるのが「日本代表戦はどこで行われるの?」ということだ。

まず2つの要素が絡んでいる。

1つはラグビーの国際統括組織「ワールドラグビー」から下記のような「試合カテゴリー」の指針が出されている。そして、もう1つはスポンサーや方円券の収入はすべてワールドラグビー側に入り、日本側の収入はチケット収入のみということだ。その中から負担金(9600万ポンド=140億円)と運営費(400億円ほど)を捻出しないといけない(公的資金や助成金を差し引きするとチケット収入だけでまかなわなければいけない額は計300億円と推測されている)。

いずれにせよ、12会場で行われる48試合の目標総入場者数は200万人で、注目試合のチケット価格を高めに設定して大きなスタジアムで行い、そうでもない試合の場合は、チケット価格をある程度、抑えてでもスタジアムが満員で埋まるような施策が必要となろう。過去のワールドカップを見ても、試合によってチケット代はさまざまであり、ティア1同士の試合は値段が高く、ティア2同士の試合は低く抑えられていた。

■試合カテゴリー

開幕戦、準決勝、3位決定戦、決勝:6万人以上

準々決勝:3万5000人以上

プール戦

カテゴリーA:4万人以上 ティア1同士の対戦、日本の試合

カテゴリーB:2万人以上 ティア1とそれ以外のチームとの対戦

カテゴリーC:1万5000人以上 ティア2以下の対戦

※ティア1:世界の強豪トップ10(シックス・ネーションズとラグビーチャンピオンシップに出場している計10チーム)。ティア2:ティア1以外のチーム

現在想定されている、プール戦での「カテゴリーA」のカードは下記の12試合になる。

新国立競技場の建設が間に合わず、東京スタジアムで行われることになった開幕戦は日本対ルーマニアかトンガあたりになると予想されるが、他の11位試合も指針に従えば、東京スタジアムだけでなく、札幌ドーム、横浜国際総合競技場、エコパスタジアム、豊田スタジアム、大分スポーツ公園総合競技場の6ヶ所のいずれかで行われる(2002年サッカーワールドカップも開催されているため、いろんな導線や設備も備わっていることもプラスに働くはずだ)。

日本のプール戦は東京スタジアムで2試合行うことはまずないと想定すると、スタジアムの大きさ、そして移動時間を考慮すれば残り3試合は横浜国際総合競技場、エコパスタジアム、豊田スタジアムではないかと予想される。

ただ、日本全国でラグビーワールドカップをやっているという雰囲気を出して盛り上げたい、そして他にもプール戦からニュージーランド(NZ)対南アフリカや、イングランド対フランスといったビッグマッチも残されていることを考えると、日本戦が札幌ドーム、大分スポーツ公園総合競技場の可能性もあろう。

最後に日本が対戦する順番は、日本代表のジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が「2015年W杯のように初戦でティア1の国に勝つと勢いに乗るが、(プール戦で)2敗してしまうと決勝トーナメント進出がきびしくなる」と語っているように、開幕戦はトンガあたりと対戦し、2試合目あたりがベスト8進出の鍵を握るスコットランド、そして3試合目は普通に戦えば勝てるルーマニアあたり、そして最終戦でアイルランドといった流れが理想だろうか。

いずれにせよ9月中旬の決定を楽しみに待ちたい。

■カテゴリーAと想定される12試合

プールA

アイルランド対スコットランド

日本対アイルランド

日本対スコットランド

日本対ヨーロッパ地区1位(ルーマニア?)

日本対プレーオフウィナー(トンガ?)

プールB

NZ対南アフリカ

NZ対イタリア

南アフリカ対イタリア

プールC

イングランド対フランス

イングランド対アルゼンチン

フランス対アルゼンチン

プールD

オーストラリア対ウェールズ

■開催都市/スタジアム 収容人数

北海道札幌市/札幌ドーム 41,410人

岩手県釜石市/釜石鵜住居復興スタジアム※仮称 16,187人

埼玉県熊谷市/熊谷ラグビー場 24,000人

東京都調布市/東京スタジアム(味の素スタジアム)49,970人

神奈川県横浜市/横浜国際総合競技場(日産スタジアム)72,327人

静岡県袋井町/小笠山総合運動公園エコパスタジアム 50,889人

愛知県豊田市/豊田スタジアム 45,000人

大阪府東大阪市/花園ラグビー場 約30,000人

兵庫県神戸市/御崎公園球技場(ノエビアスタジアム神戸) 30,132人

福岡県福岡市/東平尾公園博多の森球技場(レベルファイブスタジアム) 22,563人

熊本県熊本市/熊本県民総合運動公園陸上競技場(うまかな・よかなスタジアム)32,000人

大分県大分市/大分スポーツ公園総合競技場(大分銀行ドーム) 40,000人

※※( )内はネーミングライツの名称

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

斉藤健仁の最近の記事