見解今夜くらい、岡田彰布監督の2年間をゆっくり振り返りたかったが、阪神タイガースと球団を取り巻くメディアは、本当にせっかちで困る。ただ、藤川球児監督には明るい希望しかない。入団からしばらくは苦労を重ね、20代中盤になって投手陣の中心となり、30代でメジャー･リーグにも挑戦した現役時代のキャリアは必ず生きると思う。そして、現役引退後も様々な角度から野球を勉強し、解説者として実にユニークな視点で野球の面白さを伝えてくれたという印象だ。そうした人間性や勤勉さは、選手やスタッフからも信頼を集めると想像できる。ただ、阪神の監督には、務めた者にしかわからない重圧があるはずだ。チーム運営の部分では、自身と同じように真摯に野球と向き合う野手出身の右腕をつけるべきだろう。それが誰なのかも含め、まずは組閣に注目したい。
コメンテータープロフィール
1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』（すべてダイヤモンド社刊）など。
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