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大谷翔平のドジャースはワールド・シリーズに進出できるのか #専門家のまとめ

横尾弘一野球ジャーナリスト
ポストシーズンでも、大谷翔平はドジャースの牽引役となるか。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 メジャー・リーグのポストシーズンが、現地時間10月1日に幕を開けた。本塁打と打点の二冠に輝いた大谷翔平を要するロサンゼルス・ドジャースは、ナ・リーグ西地区優勝とリーグ勝率1位で5日のディビジョナル・シリーズからの出場に。その対戦相手を決める2戦先勝のワイルドカード・シリーズは、サンディエゴ・パドレスがアトランタ・ブレーブスに2連勝。ドジャースは、最後まで地区優勝を争ったライバルとの対戦から、世界一への道を走り出す。長いスパンでコンスタントな活躍が求められるレギュラー・シーズンに対して、ポストシーズンでは瞬発力あるパフォーマンスが勝敗を左右する。そんな戦いでも大谷は、持てる力を存分に発揮できるか。そして、ドジャースは4年ぶりの世界一に届くだろうか。

ココがポイント

ドジャースは公式戦の好成績でポストシーズンに第1シードで臨むが、地元ロサンゼルスでは(中略)むしろ不安の声のほうが大きい。
出典:web Sportiva 2024/9/30(月)

シーズン終盤に故障で離脱した内野手のフリーマン、ロハスが5日のポストシーズン初戦(中略)に復帰する可能性が高い。
出典:スポーツ報知 2024/10/3(木)

「ドジャースが頂点に立てるかというと、実現するのは並大抵のことではないだろう。特に、今の投手力は疑問だらけというしかない」
出典:Number web 2024/10/1(火)

大谷の爆発的な活躍もあって勝利を重ねたドジャースだが、地区シリーズまでに5日間のオフがあることは明るい材料の一つとなる。
出典:BASEBALLKING 2024/9/30(月)

エキスパートの補足・見解

 ドジャースは、ナ・リーグ勝率1位となる戦いの中で投打に故障者が続出し、特にタイラー・グラスノーらが戦列を離れた投手陣には大きな不安がある。そして、リーグ勝率1位が必ずしも有利ではないということも、過去のデータが物語っている。だが、そうした予測のできない戦いだからこそ、大谷がシーズン終盤に見せた大活躍と、それに刺激されたチームの勢いには大いに期待したい。では、大谷は短期決戦のポストシーズンにも強いのか。メジャー・リーグでは初出場だが、北海道日本ハム時代の2016年には広島との日本シリーズに出場している。この時は第1戦で先発マウンドに立ち、6回3失点で敗戦投手となった。だが、打者としては3打数2安打で、第2戦は代打、第3戦は三番を任されて4打数3安打1打点の活躍を見せた。チームは2連敗のあと4連勝で日本一となり、大谷は16打数6安打の打率.375。ちなみに、クライマックス・シリーズでは打率.188だったものの、投手として1勝1セーブの活躍を見せた。舞台も変わり、打者に専念している今回は、どんなパフォーマンスを発揮してくれるか期待したい。

野球ジャーナリスト

1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。

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