解説長崎市において、国が定める地域から外れるために被爆者と認められない「被爆体験者」について、国は救済範囲を拡大する方針を明らかにした。地域の線引きによって救済の対象を狭める施策は、公害でも福島原発事故でも繰り返されている。調査研究や訴訟の進展によって被害の実情が明らかになれば、それに応じて救済措置も拡充されるべきだ。すべての被害者に対する尊厳の回復を望む。
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コメンテータープロフィール
専門は環境政策論・環境経済学。公害問題の研究を踏まえ、福島原発事故の賠償や被災地の復興に関する調査研究に取り組む。博士(経済学、一橋大学)。岩波書店『環境と公害』編集同人。日本環境会議(JEC)副理事長。