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見解早期解散論は、新政権発足後に見込まれるであろう高い支持率を保っているうちに解散総選挙を行い、与党議席を確保するという考え方です。一方、石破茂氏はこうした政界主流の考えに距離を置き、解散は「党利党略でやってはならない」「憲法69条に定める不信任決議案可決の場合に限るべき」との持論を述べていた政治家でした。総裁選でも、当初は小泉氏が掲げた早期解散論に批判的な立場をとっていました。 こうした石破氏かねての「正論」は、選挙中にメディア出演を重ねる中で影を潜め、だんだん早期解散論に傾き、新総裁選出後は年内解散を示唆するようになりました。石破氏もやはり権力の中枢に近づくと、過去の権力者と同じ道をたどるのかもしれません。 解散権の限界はいくどとなく議論されてきました。「解散権は首相の専権事項」という言説を無批判に受け入れ、解散時期にばかり焦点を当てる「政局報道」のあり方も問われるべきでしょう。

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  • 白鳥浩

    法政大学大学院教授/現代政治分析

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コメンテータープロフィール

慶應義塾大学卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年より誤報検証サイトGoHoo運営(2019年解散)。2017年からファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)発起人、事務局長兼理事を約6年務めた。2018年『ファクトチェックとは何か』出版(共著、尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。2022年、衆議院憲法審査会に参考人として出席。2023年、Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット賞受賞。現在、ニュースレター「楊井人文のニュースの読み方」配信中。ベリーベスト法律事務所弁護士、日本公共利益研究所主任研究員。

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