Yahoo!ニュース

楊井人文

楊井人文認証済み

認証済み

弁護士

報告

見解報道ではあまり触れてないようですが、今回の選挙戦における非常に特異な要素として、自らの当選を目指すのではなく、斎藤前知事の当選のために立候補した立花孝志氏の存在が挙げられます。いわば「勝手連」的に出たのだと思われますが、巧みな発信力と、公職選挙法上の候補者になることで得られる特権的な地位(主要メディアへの露出も含む)も生かし、斎藤氏を支持するナラティブの拡散、支持拡大に大きな役割を果たしたとみられます。 このような、他の候補者の支持拡大を目的としたインフルエンサーの立候補というのは聞いたことがありません。これも立候補の自由、法的な地位を逆手にとった、新たな選挙制度ハッキング事例と考えられます。今回は不信任決議による出直し選という特殊な経緯をたどったため、他の選挙でもこのような手法が使われる可能性は高くないのかもしれませんが、問題点や影響を含め、検証が必要ではないかと考えます。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 白鳥浩

    法政大学大学院教授/現代政治分析

    解説投票率の上昇が、斎藤氏の勝因の一つである。 その投票率の上昇は、これまで投票に行かなかった若年層が投…続きを読む

コメンテータープロフィール

慶應義塾大学卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年より誤報検証サイトGoHoo運営(2019年解散)。2017年からファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)発起人、事務局長兼理事を約6年務めた。2018年『ファクトチェックとは何か』出版(共著、尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。2022年、衆議院憲法審査会に参考人として出席。2023年、Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット賞受賞。現在、ニュースレター「楊井人文のニュースの読み方」配信中。ベリーベスト法律事務所弁護士、日本公共利益研究所主任研究員。

楊井人文の最近のコメント