解説投票率の上昇が、斎藤氏の勝因の一つである。 その投票率の上昇は、これまで投票に行かなかった若年層が投票に行くことによってもたらされたと考えられる。 これら若年層は、高齢者が必ずしもそれほどなじんでいるわけではないSNSや動画配信サイトのサービスのユーザーであることが考えられ、やはりSNSが斎藤氏の勝利に大きく貢献したということが言えそうだ。 抜群の知名度を生かし、旧来のオールド・メディアにあまり接触していない有権者の行動がこの選挙の帰趨を決めた。 今後の民主主義を考えるうえで、今後考えるべき視点が提起されたといえる。
コメンテータープロフィール
日本政治法律学会理事長。博士(政治学)。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。