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薬師寺泰匡

薬師寺泰匡認証済み

認証済み

救急科専門医/薬師寺慈恵病院 院長

報告

補足おそらく、プライバシーと、脱衣の必要性、代替手段の三つ巴で葛藤がなされているものと考えます。 救急外来では原則脱衣です。特に外傷では衣服は邪魔にしかなりません。中毒でも汚染が考えられる場合には脱衣が原則です。これが問題になることは少ないです。羞恥心よりも、必要性が高く代替手段がないことが明確なので、受け入れられているのでしょう。 健診では着衣でもなんとかなるだろうという考えと、一人一人時間をかけたり、医療機関で個別に健診を受けられるだろうという考えがありプライバシーを大事にしましょうとなるのかもしれません。ただ、着衣での診察には限界がありますので、それを受け入れなければならず(じゃあなんのために健診するのか)、時間をかけるなら医師の人件費が問題になります。個別に受診し健診を受けるのであれば親の時間も要します。もっとこの点を丁寧に説明しつつ議論すべきではないでしょうか。

コメンテータープロフィール

薬師寺泰匡

救急科専門医/薬師寺慈恵病院 院長

やくしじひろまさ/Yakushiji Hiromasa。救急科専門医。空気と水と米と酒と魚がおいしい富山で医学を学び、岸和田徳洲会病院、福岡徳洲会病院で救急医療に従事。2020年から家業の病院に勤務しつつ、岡山大学病院高度救命救急センターで救急医療にのめり込んでいる。ER診療全般、特に敗血症(感染症)、中毒、血管性浮腫の診療が得意。著書に「やっくん先生の そこが知りたかった中毒診療(金芳堂)」、「@ER×ICU めざせギラギラ救急医(日本医事新報社)」など。※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。

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