提言容疑者は逮捕されましたが、心がすぐに落ち着くわけではありません。子供であれば、なおさらです。 今回の事件では、まず容疑者逮捕前は、客観的に考えても第二の犯行の危機がありました。そして事件発生から容疑者逮捕の前後にかけて、街は騒然としていたことでしょう。 街中にマスコミスタッフがあふれ、レポーターが歩き周り、人々にマイクを向けます。登下校の子供達にもカメラが向きます。報道はもちろん必要ですが、街の平穏は失われます。 容疑者が逮捕されても、子供が襲われた事実は残ります。特に幼い子ほど、退避されたから安心だということが、わからないこともあります。 不安も不眠も甘えも怖がりも学習意欲減退も、しばらく続くかもしれません。それは自然なことです。甘えてきたら、甘えさせてあげましょう。そうすれば、元の明るく元気な子供に戻っていくでしょう。 地域の子供達に、楽しいクリスマスとお正月が来ますように。
コメンテータープロフィール
1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。
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