解説コロナ前から働き方改革、人材の獲得・定着という観点などから流通業の正月休業の見直しは進んでいた。さらに、アパレルに関して言うならば、初売りおよび冬のバーゲンのお得感が薄れたこと、購買行動の変化なども要因としてあげられる。 百貨店における初売りは福袋の販売もあるし、この日が冬のバーゲンのスタート日である。従来はお得な日だったのだが、現在は、年中ポイント還元や、様々なセールが行われている。その冬のバーゲンも購買頻度、単価の高い顧客を対象としたアーリーセールが11月、12月から始まる。さらにECサイトなどでのサイバーマンデーなど、早期のセールも行われている。初売り、冬のバーゲンの有り難みが薄れてきたとも言える。 流通業の人手・人材不足は深刻だ。人々の消費スタイルも変わっている中、年末年始の出勤の意味・意義が問われる。 私も百貨店の初売りに出かけたが、訪日観光客だらけで以前とは景色が違った。
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コメンテータープロフィール
1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。 リクルート、バンダイ、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。2020年4月より准教授。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。