解説任天堂は他社の音楽ストリーミングサービスに門戸を閉ざしてきたのですが、このアプリは「音楽的な鎖国からの開国」と「Nintendo Switch Online(以下、NSO)加入者への特典を追加」を兼ね備えていて素晴らしいですね。 それでいて有料サービスNSOへの囲い込みは維持し、実はユーザーにとって最適解である「Apple MusicやSpotifyなど音楽総合アプリでの配信」は避けていて、営利企業としての打算も働いているのでしょう。とはいえ、トータルで見れば顧客にもプラスであり、歓迎できます。 また任天堂の戦略的には、「IPをゲームから切り離す」ともいえます。それはスーパー・ニンテンドー・ワールドやマリオCG映画の延長上にもあり、利益を上げるとともに、露出を増やすことでソフト本体への関心も高め、やがてゲーム事業へと回収する……という思惑もありそうです。
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コメンテータープロフィール
京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、TechnoEdgeで記事を執筆中。