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土居丈朗

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

報告

解説所得税法にある扶養親族の定義は、「合計所得金額が48万円以下(給与所得者だと103万円以下)である者」となっている。だから、独自に金額を設定し、また対象者を特定すれば、「103万円の壁」に直面している学生アルバイトを対象に、扶養親族の定義を変えれば、103万円を超えて働いても扶養親族から外れないようにできる。 その境目となる金額が「130万円」としているのは、1つに現行の勤労学生控除が27万円となっていることがあるだろう。現行の境目である103万円に27万円を足すと130万円となる。これが社会保険料の壁の金額と同じになったのはたまたまである。今でも、学生アルバイトは、130万円まで働いても勤労学生控除があるので、本人は所得税を払わなくてよい(ただし、現行制度では親の扶養から外れる)。

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  • 西田亮介

    社会学者/日本大学危機管理学部教授、東京工業大学特任教授

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コメンテータープロフィール

土居丈朗

慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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