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高橋和夫

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

報告

補足この事件の背景は未だわからない。犯人の動機も、まだ不明だ。だが、もし一部の人々の間で抱かれている反日本感情が、この事件の背景にあったとするならば、ある意味では、中国共産党の抗日闘争を強調する政策の帰結といえるのかもしれない。  毛沢東や周恩来の革命世代は、その支配の正統性に挑戦する者はいなかった。しかし、次の世代の指導層が浮上してくると、なぜ共産党が統治しなければならないのかという正統性の空白が生まれた。そこで同党が採用した政策は、抗日戦争を勝利に導いたという神話だった。そして偉大な中国を建設するという夢の強調だった。ある意味、中国人の民族主義感情をあおったともいえる。  だが民族主義感情が燃え上がってしまうと、なかなか微調整が難しい。それが暴走して日中関係を脅かしている。民族主義という感情は制御が難しい。今回の事件の教訓だろうか。亡くなられたお子様のご冥福を祈りながら。

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    防犯アドバイザー/犯罪予知アナリスト

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コメンテータープロフィール

高橋和夫

国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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