解説「老後にX万円」問題は、「自分自身の年金収入と自分自身の老後生活費」のバランス次第です。 日常生活費用が年金収入の範囲で収まる人(節約はもちろん意識するが)は、公的年金は何十年長生きしてももらえるので「老後にゼロ万円」ともいえます。実際そういう年金生活者もいます(現実には臨時出費もあるのでゼロ円での老後は危険ですが)。 公的年金を多くもらえる人ならラクかというとそうでもない。こういう人は現役世代の生活水準が高いので、老後の生活水準も高いまま「毎月マイナス10万円」ということもあります。この場合、老後に3600万円(30年として)になってしまいます。 現役時代に資産形成に努めることは大切ですが、「実際に老後がスタートしたら、自分たちの家計の収支をバランスさせる」ことで、「実際に持っている老後の財産と老後にX万円(年金で不足する額)もバランスさせる」ことがより大切です。
コメンテータープロフィール
フィナンシャル・ウィズダム代表。お金と幸せについてまじめに考えるファイナンシャル・プランナー。「お金の知恵」を持つことが個人を守る力になると考え、投資教育家/年金教育家として執筆・講演を行っている。日経新聞電子版にて「人生を変えるマネーハック」を好評連載中のほかPRESIDENTオンライン、東洋経済オンラインなどWEB連載は14本。近著に「『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」「共働き夫婦お金の教科書」がある。Youtube「シャープなこんにゃくチャンネル」 https://www.youtube.com/@FPyam
関連リンク(外部サイト)