補足Number_iの今年の活躍は、さまざまな数字が物語っています。ビルボードジャパンではアーティストとして年間10位、楽曲では「GOAT」が同16位、「BON」が68位にランクインし、いまのところダンス&ヴォーカル・グループではトップです。 この背景には、ストリーミングの年間47位と動画の同3位という実績があります。コーチェラなどの海外進出も含め、Number_iは従来のジャニーズでは実現困難だった新しい展開を多く見せています。メンバーの平野紫耀さんがジャニーズ退所時に残した「できないといわれたら仕方がない」という言葉は、現在の挑戦的な活動と対照的な意味を持っています。 さらに楽曲やパフォーマンスの質の高さは、若い男性ファンの増加に象徴されるように、従来よりも幅広い層から支持を集めています。よって、単なるビジネスモデルの変更以上の結果を生み出しているといえます。
コメンテータープロフィール
まつたにそういちろう/1974年生まれ、広島市出身。専門は文化社会学、社会情報学。映画、音楽、テレビ、ファッション、スポーツ、社会現象、ネットなど、文化やメディアについて執筆。著書に『ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争』(2012年)、『SMAPはなぜ解散したのか』(2017年)、共著に『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学』(2017年)、『文化社会学の視座』(2008年)、『どこか〈問題化〉される若者たち』(2008年)など。現在、NHKラジオ第1『Nらじ』にレギュラー出演中。中央大学大学院文学研究科社会情報学専攻博士後期課程単位取得退学。 trickflesh@gmail.com