事前に得ていた関係者筋の情報では、土曜夜にジュリー氏の動画公開、日曜朝にテレ朝で東山紀之さんが、そして月曜夜に日テレで櫻井翔さんがこの件について語るというシナリオでした。しかし動画公開が日曜にずれ込み、櫻井さんも言及することはありませんでした。 今回櫻井さんが番組で話さなかったことは、日テレにとってもジャニーズにとっても、そして日本の報道機関全体にとっても良かったと捉えています。いくらキャスターとは言え、当事者とも言えるジャニーズタレントが本件について語ることは報道の独立性を考えればあってはならないからです。 同時にそれは櫻井さんにとっても必要なことでした。タレントはジャニーズと専属契約を結んでいるだけで、加害者側ではありません。そんな彼を矢面に立たせることや、この問題を彼の知名度で緩和するようなこともあってはならないからです。 以上を踏まえればこの判断は適切だったと考えます。
コメンテータープロフィール
まつたにそういちろう／1974年生まれ、広島市出身。専門は文化社会学、社会情報学。映画、音楽、テレビ、ファッション、スポーツ、社会現象、ネットなど、文化やメディアについて執筆。著書に『ギャルと不思議ちゃん論：女の子たちの三十年戦争』（2012年）、『SMAPはなぜ解散したのか』（2017年）、共著に『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学』（2017年）、『文化社会学の視座』（2008年）、『どこか〈問題化〉される若者たち』（2008年）など。現在、NHKラジオ第１『Nらじ』にレギュラー出演中。中央大学大学院文学研究科社会情報学専攻博士後期課程単位取得退学。 trickflesh@gmail.com
