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柴田悠

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社会学者/京都大学大学院人間・環境学研究科教授

報告

見解社人研「独身者調査」によれば、18~34歳未婚者のうち、「一生子どもはいらない」と考える人は、1982年では男性の2%、女性の4%でしたが、2015年までに男性の9%、女性の7%にまで微増を続け、コロナ禍を経て2021年では男性の11%、女性の13%にまで急増しました。この中のどのくらいの人が「反出生主義」の考えを持っているのかは不明ですが、「子どもはほしくない」と考える若者が日本でも増えてきているのは確かです。 育児の負担が最も小さい北欧諸国やフランスでも、出生率は低下していて、移民による影響を除くと2023年には1.4~1.5程度になっています。先進諸国全体で出生率は低下しており、その原因は「社会の近代化(高学歴化など)による価値観の自由化」でしょう。既存の価値観(「子どもを産むべきだ」など)が自由に問い直されます。その結果、「反出生主義」もその逆も本人の自由とされるようになるのです。

コメンテータープロフィール

柴田悠

社会学者/京都大学大学院人間・環境学研究科教授

1978年、東京都生まれ。京都大学総合人間学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は社会学、幸福研究、社会政策論、社会変動論。同志社大学准教授、立命館大学准教授、京都大学准教授を経て、2023年度より現職。著書に『子育て支援と経済成長』(朝日新書、2017年)、『子育て支援が日本を救う――政策効果の統計分析』(勁草書房、2016年、社会政策学会学会賞受賞)、分担執筆書に『Labor Markets, Gender and Social Stratification in East Asia』(Brill、2015年)など。

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