提言記事には「「性分化疾患(DSD)」選手への明確なルールが示されてこなかったことがある」とあるが、特定の女子スポーツはこの15年、ずっとDSDの選手への対応で、ずっと燻ってきたという印象しかない。 とくに陸上競技がそうであり、記事にもあるキャスター・セメンヤが2016年に金メダルを取ったのは、前年に裁判を起こされたために高アンドロゲン症の規定を一時的に廃止した、その隙を縫ってのことである(結果、リオデジャネイロオリンピックでは、女子800メートルはメダルをDSD女子が独占した)。 テストステロンが、スポーツのパフォーマンスを高めることへの科学的合意がとれたことが、規制の復活へとつながった。薬によるテストステロン値のコントロールは人権問題だと思うが、ぎゃくにコントロールされればよいのかという問題もある。ボクシングもどうしたカテゴリーわけが公平かつ安全なのか、相応の議論が必要であろう。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東京外国語大学外国語学部准教授、コロンビア大学の客員研究員などを経て、 武蔵大学社会学部教授。専門は現代社会学。家族、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、サブカルチャーなど対象は多岐にわたる。著作は『日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか』、『女性学/男性学』、共著に『ジェンダー論をつかむ』など多数。
千田有紀の最近の記事
千田有紀の最近のコメント
コメントランキング
- 1
松尾貴史 国民・玉木代表に苦言「厚顔に驚きます」 賛否両論も反対意見目立つ
デイリースポーツ - 2
泣きながら「自分は見ていただけ」江別男子大学生“集団暴行死”事件から1週間、暴行しながら聞き出した暗証番号で十数万円引き出しか 逮捕された女子大生らの供述や証言からたどる事件の闇
HBCニュース北海道 - 3
「年収の壁」ゼロ回答認めず 国民・玉木氏、自民に要求
共同通信 - 4
兵庫県知事選、異例の盛り上がり “失職”の斎藤前知事に支援者が殺到 街は賛否の声
テレビ朝日系(ANN) - 5
《夜更けの公園で4秒間に7発ボコ殴り》“北海道・大学生全裸死亡”金髪ヤンキーの17歳交際相手が見せた“残忍な暴力性”【動画入手、少年含め計6人を逮捕】
文春オンライン