補足おそらく正確な表現は、ドイツにせよフランスにせよ、徴兵制は維持されたまま、兵役の義務化の停止が行われていたが、それを解禁するということだろう。 民主主義国において兵役義務を誰が果たすのかという問題は、その政治体制の中核的課題であった。もし民主主義国で兵役を一部の「民族」、「階層」、「社会集団」、「地域」などに任せることになると、それら集団が不適切な優越的な地位を得る可能性になる。金銭的な面で兵役問題を解決すると、それは「傭兵」となり、社会と軍の関係性が損なわれる。 米国では志願制を採用しているが、そこに集まる兵員が社会の多様性を反映されていないということが繰り返し問題提起される。特に東部のアイビーリーグ出身の人間が軍務を果たしていないことが問題視されるケースは多い。このため、ROTC(NROTC, AFROTC)などのように、軍と大学の距離を近づける試みも積極的に行われている。
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コメンテータープロフィール
岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。
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