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佐藤丙午

佐藤丙午

認証済み

拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

報告

見解政治資金規制法の目的は、資金面での措置を規定することにより、「政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的」とする、とある。 民主政治の健全な発展とは、政治参加の自由を保障するものであるし、政治活動の公明と公正には、特定の利益団体の影響により政策形成に不適切な影響が及ばないことを目的とする。 ただそこには矛盾があり、政治参加は政策決定者に「影響力を行使」する目的で行われるため、資金提供にせよ選挙活動の支援にせよ、自発的な協力にせよ、政治家側は「サービス」の提供者を無視できなくなる。 したがって、米国を含め先進民主主義国では、政治家と有権者の間に一定の距離を設けるために政治団体(米国の場合はPACという)を設ける。この制度のもとで、賄賂目的の「裏金」的性格は手続き的には解消する。 したがって、制度の欠陥は、寄付量や情報公開の問題ではないように感じる。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 白鳥浩

    法政大学大学院教授/現代政治分析

    解説結局、与党だけで政治資金規正法の改正を、参院委で可決することとなってしまった。 この一連の騒動の中で…続きを読む

コメンテータープロフィール

佐藤丙午

拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。

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