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内田良

内田良

認証済み

名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

報告

解説教員の長時間労働削減のために、部活動を学校主催ではなく、地域社会に移行しようとの動きが加速しています。これまでは教員が授業の延長のようなかたちで、学校の活動として部活動を善意で担ってきました。その善意への依存を解消しようとするとき、真っ先に負荷がかかるのが保護者です。保護者側の大きな負担としては、月謝の支払いと子供の送迎があげられます。 これまで学校が部活動を担ってきたことで、家庭環境にかかわらず子供にスポーツ・文化活動が広く提供されてきました。したがって、教員の「善意」を、保護者の「善意」にではなく、地域社会の「制度」に置き換えていく必要があります。送迎については、そもそも送迎をともなわないオンライン指導の活用や、スクールバス・コミュニティバスの活用など、さまざまなアイディアを組み合わせて家庭環境の影響を小さくする工夫が不可欠です。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 妹尾昌俊

    教育研究家、一般社団法人ライフ&ワーク代表理事

    見解昔は顧問の先生が大型車の免許をとって送迎するという例もありましたが、事故等の責任問題もあって、いまは…続きを読む

コメンテータープロフィール

内田良

名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

学校リスク(校則、スポーツ傷害、組み体操事故、体罰、自殺、2分の1成人式、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなっています。また啓発活動として、教員研修等の場において直接に情報を提供しています。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)、『学校ハラスメント』(朝日新聞出版)など。■依頼等のご連絡はこちら:dada(at)dadala.net

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