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岡部正勝

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京都産業大学法学部教授/元警察官僚

報告

補足今回の報道発表は、「警察庁」という国の機関であるところが、通常の事件検挙関係の発表(各都道府県警察が行う)と異なるところです。  サイバー犯罪捜査は、そもそも国境をまたぐのが通常であり、その検挙のためには、今回のような国際的な共同オペレーションが必要です。その際、諸外国は、国の機関が捜査を行っているのが通常であり、日本も、迅速な情報交換や捜査協力のため、また、日常的にカウンターパートとなって継続的な信頼関係を得るため、国の機関に捜査権を与える必要がありました(各都道府県警察が捜査主体であると、事件ごとに担当が変わってしまいます。)。  そこで、警察庁の下部組織に、サイバー捜査の実働部隊を置くという制度改正が行われましたが、今回の発表の件をはじめ、各種の事件で、その成果が現れているようです。  今後、日本を含む国際共同オペレーションが進展し、サイバー犯罪者を追い詰めていくことが期待されます。

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コメンテータープロフィール

岡部正勝

京都産業大学法学部教授/元警察官僚

1965年生。東京大学法学部卒。1990年警察庁入庁。中央の警察庁勤務のほか、第一線の都道府県警察の勤務経歴も豊富で、福岡県警察及び香川県警察で警察本部長を、大阪府警察では副本部長を勤め、九州管区警察局長を最後に退官、2024年4月から現職。この間、在フランス日本国大使館の警察アタッシェ、内閣官房勤務のほか、慶応義塾大学総合政策学部教授、武蔵野大学法学部客員教授、早稲田大学ロースクール講師、東京都立大学法学部講師としても勤務するなど、アカデミアでの教歴も豊富である。講演、論文等多数。

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