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岡部正勝

岡部正勝認証済み

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京都産業大学法学部教授/元警察官僚

報告

補足特殊詐欺などの拠点がしばしば海外にあるため、外国当局との協力関係は極めて重要です。外国にはその国の主権があるため、日本の警察は権限行使ができず、外国当局に、身柄拘束、証拠収集などの権限行使を依頼するしかないからです。このため、外国の日本大使館に、警察庁や都道府県警察から出向している職員(警察アタッシェなどと呼ばれます)は、現地当局との良好な関係構築が重要な任務となります。  特に、フィリピンなど、日本人の犯罪者が多く逃亡する国との間では、逃亡犯罪人の引渡し条約もないため、事実上の協力関係・信頼関係で対応せざるを得ません。今回は、おそらく、フィリピン当局に詳細な情報を提供して、フィリピン法に基づいて身柄を拘束の上、不法滞在等の理由で国外退去処分にしてもらった上で、フィリピンの主権が及ばない公海上に出たところで、逮捕状を執行したものと思われます。

コメンテータープロフィール

岡部正勝

京都産業大学法学部教授/元警察官僚

1965年生。東京大学法学部卒。1990年警察庁入庁。中央の警察庁勤務のほか、第一線の都道府県警察の勤務経歴も豊富で、福岡県警察及び香川県警察で警察本部長を、大阪府警察では副本部長を勤め、九州管区警察局長を最後に退官、2024年4月から現職。この間、在フランス日本国大使館の警察アタッシェ、内閣官房勤務のほか、慶応義塾大学総合政策学部教授、武蔵野大学法学部客員教授、早稲田大学ロースクール講師、東京都立大学法学部講師としても勤務するなど、アカデミアでの教歴も豊富である。講演、論文等多数。

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