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大場紀章

大場紀章

認証済み

エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所 代表

報告

補足光熱費が高い主要因は国際的な燃料価格の高騰もありますが、今の日本においてはどちらかというと為替要因の方が大きいです。ガソリン価格や電気料金に大きな影響を与える原油価格は現在約80ドル/バレルですが、これは2008年の最高値147ドル、2012-2014年ごろの100ドル越えの期間、ウクライナ侵攻直後の114ドルと比べると、むしろ安い領域に入ります。一方でドル円は2021年1月の103円に比べると現在160円なので、燃料輸入価格はこの間で為替だけで1.5倍の効果が発生しているわけです。 現在、光熱費を抑えるために10兆円近い補助金が投じられていますが、高い光熱費で需要が抑制される効果を消しているという意味で、海外にバラマキをしているのと同じです。 補助金をいつまで続けるかの議論というよりは、いつ利上げをして円安を是正するかという問題だと思います。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 江田健二

    RAUL株式会社代表取締役

    見解補助金は、これからというのにすでに長期化の可能性についての指摘が出ています。指摘はその通りで、以前の…続きを読む

  • 花輪陽子

    シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

    補足電気代やガス代の補助金は一時的に家計を助けますが、補助金が長期で続けば財政を圧迫させ円安が更に進むリ…続きを読む

コメンテータープロフィール

大場紀章

エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所 代表

大場紀章 (おおば・のりあき) – 1979年生まれ。京都大学理学研究科修士課程修了。同博士課程退学。民間シンクタンク勤務を歴て現職。株式会社JDSCフェロー。専門は、化石燃料供給、エネルギー安全保障、次世代自動車技術、物性物理学。著書に『シェール革命―経済動向から開発・生産・石油化学』(共著、エヌ・ティー・エス)、『コロナ後を襲う世界7大危機 石油・メタル・食糧・気候の危機が世界経済と人類を脅かす』(共著、NextPublishing Authors Press)等

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