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大場紀章

大場紀章

認証済み

エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所 代表

報告

補足IEAは2021年のレポートでは世界の石油需要が縮小して、非OPEC諸国の石油生産量が減少する結果、OPECの市場支配力が強まると説明していたのに、今回のレポートでは石油需要の縮小によって、石油の供給過剰となり、UAEなど増産したい国が多いOPECの内部分裂が強まるという説明で、似たような想定でもその時その時に都合の良い説明をしているようにも見えます。 今回のレポートでは、2030年までに米国の自動車販売の半分がEVになるなど、相当のEV導入を前提に日量600万バレルもの需要縮小を想定したシナリオになっていて、その想定の実現性をどのように評価するかによって、レポートに対する見方は変わると思われます。 今回のレポートに、原油市場はほとんど反応しませんでした。むしろIEAの価格支配権が失われつつあるのではないでしょうか。

コメンテータープロフィール

大場紀章

エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所 代表

大場紀章 (おおば・のりあき) – 1979年生まれ。京都大学理学研究科修士課程修了。同博士課程退学。民間シンクタンク勤務を歴て現職。株式会社JDSCフェロー。専門は、化石燃料供給、エネルギー安全保障、次世代自動車技術、物性物理学。著書に『シェール革命―経済動向から開発・生産・石油化学』(共著、エヌ・ティー・エス)、『コロナ後を襲う世界7大危機 石油・メタル・食糧・気候の危機が世界経済と人類を脅かす』(共著、NextPublishing Authors Press)等

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