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大場紀章

大場紀章

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エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所 代表

報告

解説欧州系の石油メジャーであるBP、シェル、トタール等の企業は、それぞれ英国やフランスの株式市場での上場をやめて、ニューヨーク株式市場に移行することを検討していると伝えられています。それは、欧州の株式市場では脱化石路線への圧力が強く、化石事業でどれだけ利益をあげてもニューヨーク市場ほどには評価してもらえていないということに対する不満が強くなってきたからだということです。BPだけでなく、すでにこうした企業は脱炭素路線の軌道修正を始めています。もともと、こうした企業の脱炭素路線とは、北海油田の生産性が悪化してきた所に、2014年と2020年の原油価格暴落をきっかけに、当時化石燃料よりもIRRが大きくなっていた再エネ投資を重視したわけで、現在はその状況が逆転しただけで、利益重視なのは企業として当然で変わっていません。

コメンテータープロフィール

大場紀章

エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所 代表

大場紀章 (おおば・のりあき) – 1979年生まれ。京都大学理学研究科修士課程修了。同博士課程退学。民間シンクタンク勤務を歴て現職。株式会社JDSCフェロー。専門は、化石燃料供給、エネルギー安全保障、次世代自動車技術、物性物理学。著書に『シェール革命―経済動向から開発・生産・石油化学』(共著、エヌ・ティー・エス)、『コロナ後を襲う世界7大危機 石油・メタル・食糧・気候の危機が世界経済と人類を脅かす』(共著、NextPublishing Authors Press)等

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