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野嶋剛

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ジャーナリスト/作家/大東文化大学教授

報告

補足中国の台湾封鎖に対する戦時備蓄の必要性は2022年のペロシ米元下院議長の訪問時から議論はされていたが、思うように進んでいない。台湾封鎖演習が今回3度に及んで、港湾の封鎖が具体的に中国の作戦準備のなかで見えてきた以上、必ず手当をしなければいけない課題として危機感が高まっている。食料衣料品もそうだが、台湾で最も脆弱なのはエネルギーの備蓄。蔡英文政権以来、脱原発を進めながら自然エネルギーへの転換が遅れているなかで天然ガスへの依存度が台湾では非常に高くなった。ところが天然ガスはその気化しやすい性質から備蓄が難しいという課題があり、数隻の天然ガス運搬船を港湾に係留しながらでも2週間程度しか持たない。石油・石炭の備蓄や原発の延命などでしのいでいくしか当面はないのではないだろうか。

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    弁護士/陸上自衛隊二等陸佐(予備)

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コメンテータープロフィール

野嶋剛

ジャーナリスト/作家/大東文化大学教授

ジャーナリスト、作家、大東文化大学社会学部教授。1968年生まれ。朝日新聞入社後、政治部、シンガポール支局長、台北支局長、AERA編集部などを経て、2016年4月に独立。中国、台湾、香港や東南アジアの問題を中心に、各メディアで活発な執筆、言論活動を行っている。著書に『ふたつの故宮博物院』『台湾とは何か』『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』『香港とは何か』『蒋介石を救った帝国軍人 台湾軍事顧問団・白団』。最新刊は『新中国論 台湾・香港と習近平体制』。最新刊は12月13日発売の『台湾の本音 台湾を”基礎”から理解する』(平凡社新書)』。

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