侍J―台湾戦の“一角だけ”だった日本応援団、その裏に台湾側の配慮 提供場所で熱いエール実現【プレミア12】
16日の日本―台湾、日本のファンはあえて固まっていた
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」では、日本、台湾、韓国とアジアの応援スタイルも話題を集めている。16日の日本―台湾戦は4万人収容の台北ドームが満員に。ほとんどが台湾を応援する超アウェーの環境で、日本の応援団は右翼席上部の通路に集まっていた。一見、台湾ファンに押しやられたようにも見えるこの状況、実は台湾側の気遣いによって実現した集団での応援だった。 【画像】他にもいた台湾チア6人を現地でパシャリ ショーパン姿の全身ショット 台湾戦で、日本のファンは右翼席上部の通路に横断幕などを出して気勢を上げた。NPBの試合と同じように、トランペットと個人応援歌を使っての応援。ドームを訪れた台湾人の野球ファンからも「日本の応援はマジでクール。日本に野球を見に行きたい」との声が上がったほどだ。 広いドーム球場の一角だったため、圧倒的な台湾ファンに追いやられてしまったようにも映ったが、実際には日本のファンが集まっての応援が実現するまでには、台湾側の特別な配慮があったという。 NPB関係者によれば、日本側が応援活動のためにと、主催者側を通じて確保したチケットは30枚。ところがこのチケットが、右翼席前段に固まっていたのだという。後ろのファンの観戦を妨害してしまうため、ここでは立っての応援ができない。 他の可能性はないかと台北入り後に交渉したところ、右翼席上部の一角を案内されたのだという。本来は通路で、広くはないスペースだったが、日本のファンが集まっての熱い応援が可能になった。 台湾にも、日本のプロ野球を見ているファンは多い。日本戦チケットが発売から5分ほどで売り切れたと明かす台湾のプロ野球球団関係者は「台湾のファンは、日本代表も見たいんですよ」と分析している。熱いながらも、友好ムードで進んだ応援合戦。今後も両国の野球交流はさまざまな広がりを見せそうだ。
THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori