見解討論会でのバイデンは力強さがなく疲れている印象でしたが、彼の発言を文字で読んでみると印象は変わり、実は思いの外しっかりした内容を話していたことがわかります。体調を整えることができなかったのが最大の失敗であり、その他の能力という点ではまだまだ大丈夫、というのがバイデンの認識なのでしょう。ただ、外交交渉や国内での決定を行う上で、疲れや風邪は言い訳にはならない、というのが一般国民の率直な思いでしょう。バイデンが外遊の疲れで…という言い訳をする前後に、バイデンの発言は良かったというような指摘が民主党系の有力者から続出していたりすれば印象は変わると思いますが、そのような協力があまりなされていないのが、民主党の組織としての弱さのような気がします。
コメンテータープロフィール
専門は比較政治・アメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治―ニューヨーク市におけるアーバン・リベラリズムの展開』(東京大学出版会、2008年)などがある。
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