見解大統領選挙人票でこれだけ差がつくことになれば、さすがに民主党も敗北を認めざるを得ないでしょう。黒人や中南米系の支持を軒並み減らしていることが今回の特徴ですが、民主党はアイデンティティと多様性という価値の重要性を強調しながら、マイノリティ集団内部の多様性に十分な配慮をしていなかったのではないかと思います。黒人や中南米系の中には、人種・民族的属性よりも生活に直結する問題を重視していた人も多いという点に配慮が不足していたように思います。そのようなニーズに応えるためにはハリスやバイデンという個人の対応では不十分です。民主党は党の在り方について、次の大統領選挙までにしっかりと考える必要があります。
コメンテータープロフィール
専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。
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