補足8時間で490ミリと、1年分の雨が降った所もあったようです。そもそも比較的乾いた地中海性気候のスペインで、なぜここまで雨が降ったのか。その原因は“DANA“と呼ばれる、寒気を伴った上空の低気圧にあったようです。異常に温かい地中海との温度差で嵐が発達し、大量の大雨をもたらしました。こうした嵐は珍しくはありませんが、今回のものは東部バレンシア地方において、過去1世紀で3本の指に入る大規模のものだったようです。珍しい強い竜巻も現れ、大粒の雹が車の窓に穴をあけています。 ヨーロッパは地球上でもっとも速く温暖化が進んでいる大陸で、その速度は世界平均のほぼ倍といわれています。氷が解けて国境線が変更になったり、冷房もないところに40℃以上の高温が襲ったり、おまけにグリーンランドの氷が解けて海流の動きもおかしくなっています。将来の世代に健全な環境を残すためも、いま何をすべきかという思いが強くなります。
コメンテータープロフィール
NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。
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