補足残念ながら犠牲者の数が一気に増えましたが、まだ多くの方が行方不明になっていると伝えられています。8時間で500ミリの土砂降りの雨が、2年間の干ばつで硬くなり、水分を吸収できなくなっていた大地に降り注ぎました。略奪も横行しているうえ、木曜日には雷雨が予想されています。 続く異常気象で人々の生活は翻弄され、命を脅かす危険性も増しています。頼みの綱である天気警報も、今回は洪水が始まってから発表された地域もあったようです。 被害を受けたバレンシアは、記事あるようにオレンジなどかんきつ類の世界的な産地です。まさに収穫を始めようとしていた矢先に襲った大災害で、果実のみならず、木々も一日以上水に浸かったため枯れてしまうと、ある農家は悲痛な胸の内を語っています。気候変動が農業に与える影響を再認識させられます。
コメンテータープロフィール
NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』（文春新書）、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』（共立出版）がある。
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