補足EUは、「セルビアのEU加盟」を「エサ」に、コソボの関係改善を要求し、その後ろで暗躍するかもしれないロシアを押さえ込みたいという狙いがあります。 2023年1月、「コソボの関係正常化を目指さなければ『大きな損害』を被る可能性がある」と、セルビアは欧米諸国から通告を受けています。これはヴチッチ大統領自身が述べており、「コソボが国際機関に加盟することに対し、セルビアが反対しないこと」が盛り込まれていたといわれます。 コソボの国連加盟にはロシアが拒否権を発動しており、セルビアは「ロシアによるウクライナ侵略」についての制裁は拒否しています。セルビアにとってロシアは「天然ガスの輸入先」「コソボの国連加盟を拒否してくれる後ろ盾」であるため、関係維持は当然です。 こうした状況で、ロシアだけでなく中国との関係を深めることは、セルビアにとってはさらなる「強いセルビア」に繋がるとの思惑があるのでしょう。
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コメンテータープロフィール
地理講師&コラムニスト。日本地理学会企画専門委員会委員。出講する代々木ゼミナールでは、開講されるすべての地理の講座を担当し、全国の校舎・サテライン予備校に配信される。現代世界の「なぜ?」を解き明かす授業が好評。さらに高校教員向け「代ゼミ教員研修セミナー」の講師も長年勤めるなど「代ゼミの地理の顔」。2017年発行の主著『経済は地理から学べ!』(ダイヤモンド社)の発行部数は6.5万部を数え、地理学の普及・啓発活動に貢献したと認められ、2017年度日本地理学会賞(社会貢献部門)を受賞。他方、各誌にコラムを寄稿中。新刊は『現代史は地理から学べ』(SB新書)、『地理がわかれば世界が見える』(大和書房)
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