補足2012年の全国の生殖医療施設代表者への調査では,健康な女性の社会的適応での卵子凍結は「問題ない」との回答は63.6%と高率,9施設の実施も明らかになりました. 翌年,日本生殖医学会は実施を認めましたが,日本産科婦人科学会は「推奨しない」としたため,2015年の同様の調査で「問題ない」との回答は,健康な20~30代女性でも26.6%,40代女性では16.6%と低下しました.しかし,2018年の調査では,20~30代女性で44.7%,40代の女性でも26.2%と再上昇します. 今回の調査では実施施設が増えており,東京都の卵子凍結への助成金制度や有名芸能人の公表などで,実施のハードルも下がり,ニーズが打ち寄せていると推測されます.女性の選択肢が広がり望ましい一方で,卵子凍結なしでも不妊治療・妊娠・子育てと就労が両立できるか,使用されなかった卵子をどうするのか等の課題解決が急がれます.
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コメンテータープロフィール
産婦人科医(岡山大学病院不妊・不育外来,ジェンダークリニックで診療).岡山大学大学院保健学研究科・生殖補助医療技術教育研究(ART)センター教授(助産師,胚培養士(エンブリオロジスト)等の養成・リカレント教育).日本GI(性別不合)学会理事長(LGBTQ+,特に「性同一性障害・トランスジェンダー」の医学的・社会的課題の解決に向けて活動).岡山県不妊専門相談センター,おかやま妊娠・出産サポートセンターセンター長.妊娠中からの切れ目ない虐待防止「岡山モデル」の創始,LGBTQ+支援,思春期~妊娠・出産~子育てまでリプロダクションに関する研究・教育・実践活動中.インスタ #中塚教授のひとりごと
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