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中塚幹也

中塚幹也

認証済み

岡山大学教授 産婦人科医 日本GI(性別不合)学会理事長

報告

補足性同一性障害特例法では,戸籍の性別変更の要件として,①18歳以上.②婚姻をしていない.③未成年の子がいない.④生殖腺がないか機能を永続的に欠く.⑤他の性別の性器に近似する外観,を求めています.④については2023年10月に最高裁が違憲と判断,⑤については高裁に差し戻され判断待ちの状況です. ③の「子なし要件」は「子どもを持つ性同一性障害(性別不合)当事者の性別変更を認めると家族秩序に混乱を生じさせる」として設けられたとされます.しかし,この要件により「子どもがいなかったらと考える親」や「自分がいるので親が困っていると悩む子ども」を作ってしまうことになります.また,このような要件を法律に明記している国は日本だけとされます. 子どもを育てながら,また,結婚をしたままで戸籍の性別変更を希望する当事者も多く,②「婚姻要件」や③「子なし要件」についても議論を進める時期に来ていると考えられます.

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コメンテータープロフィール

中塚幹也

岡山大学教授 産婦人科医 日本GI(性別不合)学会理事長

産婦人科医(岡山大学病院不妊・不育外来,ジェンダークリニックで診療).岡山大学大学院保健学研究科・生殖補助医療技術教育研究(ART)センター教授(助産師,胚培養士(エンブリオロジスト)等の養成・リカレント教育).日本GI(性別不合)学会理事長(LGBTQ+,特に「性同一性障害・トランスジェンダー」の医学的・社会的課題の解決に向けて活動).岡山県不妊専門相談センター,おかやま妊娠・出産サポートセンターセンター長.妊娠中からの切れ目ない虐待防止「岡山モデル」の創始,LGBTQ+支援,思春期~妊娠・出産~子育てまでリプロダクションに関する研究・教育・実践活動中.インスタ #中塚教授のひとりごと

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