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医療の「翻訳家」

報告

補足記事ではヒトメタニューモウイルスの検査を勧めているようですが、仮にこのウイルスに感染していることが分かったとしても、特別な治療法がありませんので、行われるのは一般的なかぜの治療と同様なものです。根本的には寝ていることしか治療の方法がありませんので、検査する意義は薄いです。 なおこのウイルスで検査を受けた場合、保険が適用されるのは6歳未満で肺炎が疑われる場合のみです。 前提として、肺炎のような症状があった場合、まず必要なのは肺炎が疑われる際に(どのような原因であれ)共通で行われる、X線や血液検査などの検査を受けることです。その意味でも、「このウイルスかどうかを判別する特別な検査」が年代を特定もせず必要かのように伝えるこの記事には問題があると感じます。

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コメンテータープロフィール

(いちかわ・まもる)医療の「翻訳家」/READYFOR(株)基金開発・公共政策責任者/(社)メディカルジャーナリズム勉強会代表/広島大学医学部客員准教授。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。19年Yahoo!ニュース個人オーサーアワード特別賞。21年よりREADYFOR(株)で新型コロナ対策・社会貢献活動の支援などに関わる。主な作品としてNHKスペシャル「睡眠負債が危ない」「医療ビッグデータ」(テレビ番組)、「教養としての健康情報」(書籍)など。

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