「年収103万円の壁」見直しに自民・森山幹事長「財源示せ!」国民民主に“先制パンチ”の腹の中
2025年に持ち越された「103万円の壁」問題は、結局「123万円」への引き上げでジ・エンドとなるのか──。8日、自民党の森山裕幹事長が所得税の課税最低ライン「年収103万円」の見直しについて「相応の財源が必要だ」と口にした。「178万円」への引き上げを求めている国民民主党に対して、改めて「財源を示せ」と要求した形だ。 【写真】元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」 ◇ ◇ ◇ 「103万円の壁」問題について石破政権は、昨年12月、178万円への引き上げを求める国民民主を振り切り、123万円に引き上げることを決定。ただし、国民民主党とは、ひきつづき自民、公明、国民民主の3党で協議をつづけることで合意している。 ところが、新年早々、いきなり森山幹事長が、国民民主に先制パンチ。熊本市で開かれた自民県連会合で挨拶し、103万円の壁引き上げについてこう語ったのだ。 「財源の裏づけのない話をしてはいけない。国をおかしくしてしまう」「7兆円、8兆円の財源をどこに求めるかをしっかり考えずに、イギリスの『トラス・ショック』のようなことが起きれば、えらいことになる」 財源の裏づけがなく大型減税をしたイギリスが、「通貨安」「株安」「債券安」のトリプルショックに見舞われた実例をあげることで、国民民主を牽制したのは明らかだ。 「どうやら石破政権は、103万円の壁について国会で堂々と審議するつもりのようです。178万円への引き上げを求めている国民民主に対して、『7兆円もの財源をどうするのか』と正面から問うた方が得策という計算もあるのでしょう。予算案が衆院を通過するかどうか、ヤマ場をむかえるのは2月下旬。少なくても、それまでは妥協しないつもりのようです」(自民党事情通)
「最後は榛葉と話をつければいい」
石破政権は衆院で過半数を割っているが、予算は成立すると楽観しているという。国民民主のキーマン、榛葉賀津也幹事長を押さえていることも大きいという。 他党との交渉窓口になっている榛葉氏は、もともと民主党時代に参院国対委員長をつとめた「国対族」。自民党の森山氏とはツーカーの仲だ。昨年12月も都内の中華料理屋で卓を囲んでいる。 2019年の参院選の時には、自民党が裏から“榛葉当選”を支援したとも言われている。 「榛葉さんの選挙区である参院静岡は、改選定数が2。自民と野党が議席を分け合う楽な選挙区です。ところが、2019年は、立憲民主党が候補を擁立し、三つ巴の戦いとなり、国民民主の榛葉さんは当選が危ぶまれた。その時、当時、官房長官だった菅さんが、業界団体や創価学会に“榛葉支援”を頼み込んだと言われています。恐らく、森山幹事長も『最後は榛葉と話をつければいい』と思っているはず。103万円の壁問題は、すでに自民と国民民主の間で『150万円』への引き上げで話はついている、という情報も流れている。2月下旬、突然、150万円が浮上する可能性があります」(政界関係者) 178万円への引き上げを目指すなら、国民民主の玉木代表(役職停止処分中)も「財源はここにある」と、言い返すべきではないか。 ◇ ◇ ◇ 自民党・森山幹事長の「財源示せ!」発言に対するSNSの反応などは、関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。