【10月1日から】ヒルドイドなど医薬品の負担増・何が対象?いくら上がる?なぜ?#専門家のまとめ
10月1日(火)から、約1100品目の医薬品で患者負担が増額になります。後発医薬品(ジェネリック医薬品)への切り替えの促進が目的で、いま「子ども医療費無料化」などの対象になっている場合でも、この負担増部分は支払いを求められます。主に対象となる医薬品はどんなものか、いくらくらい負担増となるのか、制度移行期の懸念点などをまとめました。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
10月1日(火)からの変更のポイントを以下にまとめました。
・負担増になるのは、後発医薬品(ジェネリック医薬品)があるのに先発薬(特許の切れたオリジナル医薬品)を使うケース
・増える負担(選定療養費)の金額は、先発薬と後発薬の差額の4分の1
・医師が「治療上必要」と判断した場合はかからない。ただし「単なる希望」「使いごごち」ではNG
・1人あたりの負担増額は平均で年間600円程度(日本システム技術試算)
今回の対象となる医薬品のうち、シェアの2割程度を医療用塗り薬「ヒルドイド」が占めると試算されています(※)。同薬は美容目的での利用や転売が指摘されており、制度変更の影響が注目されます。
なお後発薬に関しては近年、メーカーの規則違反などにより供給が滞る事態が頻発しています。背景として薬価の引き下げすぎ(メーカーが、原料高騰や人件費などのコストを転嫁し切れていない)が指摘されており、国には後発品への切り替えの促進と同時に、供給の安定化への取り組みが求められます。
また医療現場では、制度変更について「患者に説明しきれない」という声が多く出ており、変更後すぐは混乱もあるかもしれません。いま定期的に医療機関を受診されている方などは、次回の受診前に、今回ご紹介した情報などを参考にしてみてください。
※…選定療養費の合計金額のシェア率