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市川衛

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医療の「翻訳家」

報告

見解記事の情報だけでは、どのような原因でミスが起きたのかはわかりません。気になるのは、病院側が医療事故調査委員会を立ち上げるなどの対応を実施したのかどうかが書かれていないことです。 患者や遺族が提訴まで踏み切るケースの中には、損害賠償そのものより「真実を知りたい」という動機があることが少なくありません。背景には、病院側から十分な説明が行われなかったり、真摯な対応が行われなかったことによる不信感が存在することがあります。 「胃と腸の取り違え」という点に注目が集まりそうですが、このニュースを解釈するポイントは以下2点であり、その情報を確認できるまで評価を留保すべきだと感じます。 ①医療ミスは誰にでも起きることなので、個人を責めるのではなく、原因を究明し再発防止策をとることが大事。そのための医療事故調査委員会などが開催されたのか ②患者本人や遺族に対して病院側がどのような対応をしたのか

コメンテータープロフィール

(いちかわ・まもる)医療の「翻訳家」/READYFOR(株)基金開発・公共政策責任者/(社)メディカルジャーナリズム勉強会代表/広島大学医学部客員准教授。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。19年Yahoo!ニュース個人オーサーアワード特別賞。21年よりREADYFOR(株)で新型コロナ対策・社会貢献活動の支援などに関わる。主な作品としてNHKスペシャル「睡眠負債が危ない」「医療ビッグデータ」(テレビ番組)、「教養としての健康情報」(書籍)など。

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