補足器物損壊は親告罪であり、単なる被害届ではなく、告訴がなければ起訴できません。北陸コカが処罰を求めず、告訴もしないとのことですから、北陸コカの自販機に関して関係者が起訴されることはありません。雪印メグミルクと明治も横並びの対応をするのではないでしょうか。 なお、中日新聞の報道では、北陸コカの自販機は所定の操作をすれば無料で飲料商品が取り出せる災害支援型だったものの、停電時は利用できないタイプであり、当時、穴水高校は停電していたとのこと。 また、高校に避難していた被災者の話では、この地域の一次避難所や二次避難所は地震の被害で利用できず、急きょ備蓄食品のない高校が避難所となり、多くの住民が殺到した上、震災の影響で携帯電話の電波状態も悪かったといいます。 こうした当時の客観的な状況を踏まえ、どのように対応すればよかったのか、この機会に今後の教訓まで掘り下げて報じられることが望まれます。
コメンテータープロフィール
1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。
