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前田恒彦

前田恒彦

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説高級車の盗難グループもGPSの存在を知っているので、盗んだあと、すぐに解体や不正輸出などの作業を行う彼らのヤードまで運ばず、しばらくコイン式駐車場に駐車し、様子を見るのが通常です。今回は彼らのこうした習性を逆手にとり、発見に至ったということになります。 ただ、そもそも客から預かった車の鍵を職員の帰宅後もそのまま事務所に置いておくようなことさえしなければ、ここまでの盗難被害には至らなかったはずです。この記事で語られているパーキング側の防止策は「泥縄」と言わざるを得ません。 盗まれた車こそ見つかったものの、まだ警察は盗難グループの発見に至っていないようですし、別の報道によると、盗難車からドラレコが抜き取られ、カーナビの設定も変えられて走行ルートがわからなくなっているなど、様々な証拠隠滅工作まで行われているとのこと。彼らを厳罰に処すとしても、その前提となる検挙すらも難航しそうな状況です。

コメンテータープロフィール

前田恒彦

前田恒彦

元特捜部主任検事

エキスパート認定マークについて

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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